文豪川端康成の小説「伊豆の踊り子」で登場する天城近くの静岡県河津町は、海山川に囲まれた自然豊かな土地です。
早咲きとしても知られる河津桜も有名で、国内外から多くの観光客が訪れる場所でもあります。
その旅人をもてなす旅館やホテルも多く、人口に対する宿泊施設の数から宿の激選区といって良いでしょう。
そんな河津町にあって、貸切温泉と美味しい海の幸がいただけると評判なのが、今回ご紹介する「伊豆今井浜温泉旅館 心のどか」です。
名前の響きだけで心から癒されそうな宿ですが、実際に宿泊したレビューをお届けしたいと思います!
結論から言ってしまうと、絶品料理と貸切温泉の評価が非常に高いというのも頷ける温泉宿でした!
温泉や海鮮料理に癒されたい方、伊豆へ観光したいと考えている方は必見ですので、ぜひ読んでいってください!
このレビューの目次
河津温泉郷の特徴
冒頭で登場した川端康成の他に井伏鱒二、中島敦、三島由紀夫、西村京太郎など明治から昭和まで年号を超えて文学者や文化人と縁のある地です。
温泉の泉質は大きく7つに分けられ、いずれも無色透明で河津川一帯に点在しています。
なお、飲料には適さないとのことです。
宿泊したプランと料金
今回はAgodaを使い
「★素泊まりプラン★貸切風呂24時間無料♪色浴衣付き<現金特価><温泉で癒されよう>」
を消費税込み5,850円で予約しました。
ここに150円の入湯税がついて、税込6,000円です。
著者の場合、スケジュールとの兼ね合いで「朝食はなしで良いので、夕食合わせて1万円で見繕って欲しい」というわがままをお願いしたのですが、宿のオーナーは快諾してくださいました。
個人宿だからこそ、できることだとは思いますが、こちらのお願いに応えてくれるのはありがたいし、嬉しいですよね。
通常時の価格と部屋のタイプは?
部屋が海側か山側かで値段が変わるようですが、他の部屋タイプと通常時の税込価格は大体以下の通りです(1名で宿泊の場合のみ調査)。
・和室6畳1名 5,400 〜 7,200円
・和室6畳1名(朝食付き) 6,700円 〜 8,500円
・和室6畳1名(夕食・朝食付き) 13,900円〜 17,500円
※公式予約ページより、2020年3月下旬調べ。日曜日(閑散日)と土曜日(繁忙日)で比較。
チェックイン・チェックアウト時間は?
チェックイン時間は15時、チェックアウト時間は10時30分でした。
旅館の外観と館内
車を停め、石畳の階段を登るとホテル入り口につきます。
温泉宿にふさわしい佇まいで、入り口には新鮮な海産物を活けておく水槽がありました。
また、近くにコンビニがないとも聞いていたので、自動販売機が設置されているのは嬉しいですね。
![外観](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/432f360212bdf71cf7f5f8c106236e24-1-773x515.jpg)
到着したら中に通されて、梅昆布茶をいただきました。
落ち着いた和室で、到着してすぐにリラックスできます。
著者は食べませんでしたが、朝食はこちら8:00, 8:30, 9:00から時間を選んでいただけるシステムのようです。
![朝食会場](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/797bc1b3f0d3e73ef8bb425fd1663cb7-773x515.jpg)
支払い手続きを終えて部屋へ。
鍵等はなく、案内してもらうままについて行きます。
客室
作りは純和風旅館でふすまを開けて広がる客室の様子がこちら。
風情のある作りですが、部屋は十分な広さです。
![客室](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/bc63b3fc38bfd5d51ddb9741ddbe54d1-773x515.jpg)
テーブルの上にあるお茶菓子をいただいて、まずは一息させていただきました。
旅館ならではのくつろぎ方ができるのは最高です。
![お茶と茶菓子](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/9b7826f976236db50e167fcd9f3646ef-773x515.jpg)
障子を開けて広縁をのぞいてみます。
スタイリッシュな椅子と背の低いテーブルがおかれています。
![広縁](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/da3bc7721fcc57a23680c87c87789aec-773x515.jpg)
そしてカーテンを開けた景色がこれです。
遠方に海が広がり、大地の起伏も感じさせてくれるこの景色は「伊豆に来たんだなぁ」と実感させてくれます。
お部屋の料金が海側と山側で別れているのが、わかる気がしました。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/57beb0c0d2485812646295181dfd8170-773x515.jpg)
このまま、ダラダラして過ごしたいところですが、気を引き締めて部屋の中に用意されたアメニティグッズ等をみて行きましょう。
まず館内着の浴衣や帯、タオルや歯ブラシといったものは一箇所にまとめて用意されています。
![アメニティ](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/6779897891035e7e00c95a8dc6498c15-773x515.jpg)
テレビは大きなテーブルでお茶を飲みながら見るのに問題ない大きさでした。
宿泊者の数に限りがあるため、Wi-Fiもパスワードレスで便利です。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/90633278933edcb0ef1530d73c45615d-773x515.jpg)
フロントへの電話もテレビの横。
近隣にスーパーやコンビニなどがないので、もし行く必要が出て来たらこの電話でフロントにタクシーをお願いして、到着するまで部屋でのんびりできます。
![電話](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/40f1cba467632d6c403ffe98f64d2cd5-773x515.jpg)
ドライヤーやタオルを乾燥するスペースは広縁にあります。
洗面台のすぐ横に用意されていました。
その他、広縁にはジャケットをかけておくハンガースペースや冷蔵庫、熱々のお湯が入った電気ポット等がおかれていました。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/e1d03cbf5a767825b4e9b4efc5928b66-773x515.jpg)
枕元にはコンセントが2つありましたが『充電用』と書かれており、ドライヤーは使用しないでくださいとの注意書きがありました。
ちなみに布団は、夕食の時間の後に仲居さんが綺麗に敷いてくれるので、自分で敷く必要はありません。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/26e3c511c0e8a6625c940b7a8336fe5c-773x515.jpg)
テーブルは、作業アイテムを置いて確認するまでもないくらい十分なスペースがありますが、コンセントが部屋の角に2つあるだけで、一般的なコードではとどかない距離がありました。
延長コードでもないと電気を引っ張ってこれませんが、そもそもこの宿で作業するというシチュエーションがあまりないと思うので、ここでは作業性について書くのはやめることにします。
ちなみにWi-Fiはフリーのものがちゃんと飛んでいて、速度も普通なので通常の使い道になら使い勝手は悪くないと思います。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/b1f4b42b7e5395397de40305e7c96be3-773x515.jpg)
トイレ
トイレは各個室にあります。
広くもなく狭くもなく、普通のトイレですね。
ユニットバス等ではないのでアメニティもありません。
温泉施設
部屋を出て玄関に向かうときの景色はこんな感じですね。
風情のある旅館の雰囲気が伝わると思います。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/af17262faf2326ec49bae53a5dd676d2-773x515.jpg)
温泉は聞いていた通り、貸切で、内鍵をかけると廊下にあるライトが点灯状態になり、使用中であることがわかります。
貸切温泉は二つありますが、特に名前は決まっていないようなので玄関に近い方からご紹介します。
扉を開けて中に入ると脱衣所があります。
玄関に近い側の温泉は、もう一つの温泉に比べてスペースが狭いということでしたが、大人3人が着替えるのに十分な広さがありました。
狭い方でこれなら、家族連れのお客さんでも、一度にみんなで入れそうですね。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/834a5609df6e5c33eb95fc2eacbc1dae-773x515.jpg)
アメニティはシェービングローションや髭剃り、クシや綿棒等がありました。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/9dbd01fc673d6d512c00595c5ff67eed-773x515.jpg)
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/2233919fe8e7c2dbcd7292bc8f1154f3-773x515.jpg)
そして扉を開けるとこの景色。
内風呂と露天風呂の両方が見えます。
ここが貸切だとは・・・素晴らしい贅沢です。
![内風呂](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/1a44ef63446aa0959c123a2d6b93068b-773x515.jpg)
こちらの露天風呂は木の床に囲まれていて、石の上を歩く必要がないので、寒い思いをしません。
内風呂の方が少し熱く、露天風呂は長く入っていられる温度でした。
これは温泉好きではなくとも、交互に何度も入ってしまいますね。
ちなみに露天風呂の近くには傘が用意されていたので、雨でも露天風呂に浸かり続けることが可能なようです。
![露天風呂](http://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/8cf06ef65b1275203750dad9a89d496c-773x515.jpg)
もう一つの温泉も覗いてみましょう。
聞いていた通り、やはり脱衣所から広さが違いますね。
こちらは一家族でも余裕があるくらいの広さです。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/ddb733799b54af0038b695ae50909529-773x515.jpg)
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/c87e4afeb912142b1af63a9d2af403f4-773x515.jpg)
中を開けると・・・
先ほどと印象が少し違いますね。
電灯も少なく、落ち着いた雰囲気です。
内風呂の形も扇型で、角に足を向けることで、より大人数が入れる設計になっています。
![内風呂](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/537f9dbbe667145dc95d2a1fec5591f8-773x515.jpg)
また、露天風呂へは石畳の上を歩いていく仕組みになっており、夏場の露天風呂でよく見る床に寝転んで涼むといったことはできなさそうです。
広さは先ほど見た露天風呂と変わらず、大人二人でちょうどいいくらいでしょうか。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/5642f337279e8274bb84e0314a4c6c24-773x515.jpg)
どちらの温泉も甲乙つけがたい良さがあります。
他のお客さんが使っていないことが前提ですが、24時間入れるとのことなので、ぜひ両方とも試してみてください。
絶品の夕食
このホテルで評判の海鮮料理は、朝食もさることながら、本領は夕食時に発揮されます。
著者は翌日の早朝から予定があったので、朝食ではなく夕食のみをいただくことにしました。
なお、夕食の時間は18:00〜の固定となっており、遅くなりすぎると提供できないということなので、夕食をご予約の方はその前までにチェックインするようにしてください。
時間になると仲居さんがどんどん料理を運んで来てくれます。
あれよあれよという間に料理が運ばれ、あっという間に新鮮な海の幸がテーブルを覆い尽くしてしまいました。
![夕食](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/03f5bf3a5f842ce6288fd80771dfc376-773x515.jpg)
さすがは海の町です。
海産物の輝きが違います。
金目鯛の煮付けは特に絶品です。
目でも鮮やかですが、美味しい料理を代わる代わる食べられるのは極上の幸せだと思います。
![](https://biziho.jp/wp-content/uploads/2020/03/6877a383d16fb2c9c13e25af041ea0ac-773x515.jpg)
周辺環境の項でも書きますが、車がないとこの辺りはかなり不便な場所です。
お酒が入ってしまうとタクシーでの移動を余儀無くされるので、ぜひ、夕食は宿で食べることをお勧めします(18:00からの夕食に確実に間に合わないのであれば来る途中に買ったり食べたりしてもいいと思いますが)。
「心のどか」へのアクセス
電車の場合は伊豆急行線の今井浜海岸駅から徒歩5分の位置にありますが、坂を登るイメージです。
車の場合は、最寄りのI.Cが遠く、沼津I.Cより修繕路経由で1時間40分となっています。
周辺環境
河津町は自然や景勝地、史跡といった観光資源に恵まれており、変わり種として体感型動物園iZooもあります。その中でも、特に有名なのは河津七滝で、新緑の季節や紅葉の季節には全国から多くの観光客が訪れる人気スポットです。
写真に映える場所がたくさんあるので、旅行好きの方だけではなく、写真好きの方にもオススメのスポットですね。
コンビニやドラッグストア、スーパーはあるの?
まずコンビニですが、宿からの最寄りはファミリーマート河津笹原店で、距離が2kmあります。
これは車で5分かかる距離ですが、坂の町でもあるので徒歩で行くと思う以上に時間がかかると思います。
ドラッグストアも大手であるウエルシアは上でご紹介したファミリーマートの近くで、徒歩で行くのは厳しいでしょう。
ここまで読んでいただいたら予想いただけるように、スーパーも同じくらいの距離があります。
宿以外で晩御飯は?
すでにご紹介のように、町の中心部が遠いので選択肢は限られています。
海岸沿いまで歩ければ鉄板焼きの「潮砂亭」がありますが、ここへも坂道を上り下りする必要があります。
それは大変なので、どうしても食べたいジャンルがないなら、宿で夕食を食べるのがいいと思います。
河津町の中心部まで2kmほどの場所に宿があるため、商業施設等は同じ距離離れてしまう形です。
逆に夕食を宿で食べないことには「心のどか」の全てを満喫したことにはならないかもしれません。
それくらい美味しいのでオススメです。
「 心のどか 」のレビューまとめ・評価
以上、静岡県の河津町にある「伊豆今井浜温泉旅館 心のどか」でした。
心も体もリラックスできる温泉に料理。
和室でくつろぐひと時は、日頃の忙しさを忘れさせてくれます。
館内・客室も落ち着ける空間づくりが行き届いており、ご家族づれでも楽しめるでしょう。
著者は予定があって朝食が食べられませんでしたが、夕食から考えると朝食もきっと素晴らしいものだと思います。
温泉や海鮮料理に癒されたい方、伊豆へ観光したいと考えている方は是非、「海辺の湯宿 心のどか」で贅沢なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
伊豆今井浜温泉旅館 心のどかの情報
ホテル名 | 伊豆今井浜温泉旅館 心のどか |
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所在地 | 〒413-0503 静岡県加茂郡河津町見高109 |
電話番号 | 0558-32-2302 |
アクセス | 【電車の場合】 伊豆急行 今井浜海岸駅より徒歩5分 【車の場合】 沼津I.Cより修繕路経由で1時間40分 |
駐車場 | 宿正面は2台ほど駐車可能だが、第2駐車場が徒歩1分(いずれも利用無料) |
URL | http://kokoronodoka.jp/ |
インターネット | Wi-Fi無料 |
宿泊したプラン / 部屋
宿泊日 | 2020年3月15日(日) |
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プラン | シングルルーム禁煙1名 |
料金(税込) | 6,000円(素泊まり、入湯税150円込、夕食は別) ※料金は同じプランでも曜日や空室状況によって異なります |