読売新聞が発表する新日本観光地100選の中で、温泉郷として紹介された山梨県の石和町は、かつて温泉ではなく、ぶどうや桃のみが有名な果物の町でした。
それが1960年代にぶどう園から高温の湯が湧き、付近の川に流れ込んだことがきっかけで、現在では全国から観光客が訪れる温泉の町として発展してきました。
今回ご紹介する「華やぎの章 慶山」は、なんと温泉が湧く前からある老舗宿です。
作業性や利便性といったビジネスユースではなく、体を休ませ、心を楽しませるおもてなしの精神を感じるこのホテルは、一度や二度ではなく何回も来たくなること間違いなしです。
料理、温泉ともに非常に満足度が高く、知らないことが損だと思えるほどです。
これから甲府市方面へお出かけの方、都内にお住まいでアクセスが良い温泉をお探しの方、必見です!ぜひ見ていってください♪
このレビューの目次
宿泊したプラン
今回はAgodaを利用し、「ツインルーム 禁煙(朝食込み)」を税込7,800円で予約しました。
このホテルにはシングルルームがないので、その点に注意してください(もちろん1名から泊まれます)。
ホテル利用者は、ホテル玄関道向かいにある小松有料駐車を無料で利用可能です。
ホテル外観
外観はホテルというより旅館のような印象を受けました。
和のテイストを前面に押し出しています。
入口の作りも凝っていて、高級感がありました。これは期待大ですね。
館内設備
ロビーについてチェックイン。
遅く着いたのでロビーの一部の電気が落ちていましたが、受付の方は親切に対応してくれました。
随所に高級感を感じます。
ロビーに小川が流れていて、その中を生きた錦鯉が泳いでいました。
受付時には館内着である浴衣を選びます。
宿泊客が手にとって選べるような見本と、実際にその日借りられる館内着が分けられていて、細やかな気遣いを感じました。
選び終えた後は、係りの方が部屋まで荷物を荷車で押して運んでくれます。
長旅で疲れている宿泊客や年配の方には、思わず表情がほころぶサービスだと思いました。
建物自体が大きく、シンプルな内装だと景色が単調になりやすいですが、和テイストの内装をうまく取り入れることで、まるで情緒ある街角のような雰囲気です。
廊下を通って部屋の中まで荷物を運ぶ間に館内の説明をしてくれます。
温泉だけでなく、料亭や割烹までもが併設されているようです。
客室
ドアを開け、部屋に入るとこんな感じです。
ここまでずっと和のテイストだったので、和室のような部屋を想像していました。
しかし、実際は壁紙の色も明るく天井の高さもあって、過ごしやすそうな空間が広がっていました。
到着したのが夜だったので、窓からの景色は後述するとして、テーブルや机周りを見て行きたいと思います。
まず手前のテーブルは、小物や茶菓子を広げられるこじんまりしたもので、椅子の高さもあぐら座椅子に近いイメージです。
おそらく高齢の宿泊客にとって、座りやすい高さなのだと思います。
次に奥のデスクですが、対応する高さの椅子がないので、一応読書灯こそありますが、あくまでものを置く棚に近いスペースというイメージです。
ティーポットやお茶、茶菓子はしっかりしています。
特に到着後すぐに熱いお茶が飲めるように電気ポットには熱湯が満タンになっている気遣いは、ご高齢の方に受けが良さそうです。
貴重品入れや冷蔵庫もデスク周りにまとめられています。
冷蔵庫には年齢や性別を問わないバラエティに富んだドリンクが用意されています。
用意されていた煎茶も香り高く、お茶に詳しくない著者でも良いものだとわかりました。
奥のデスクにコンセントが数カ所ありますが、いずれもテレビの裏にあり、アクセスしづらいです。
椅子もないので、こじんまりしたテーブルに著者がいつも作業に使うアイテムを置いてみました。
パソコン1台と+α程度のスペースです。
コンセントも近くなく、壁際までテーブルを運ばないと電源を取ってこれません。
作業はできないものだと割り切った方が良さそうです。
次に振り返ってベッド周りを見てみます。
ベッドを目にした時から高級そうな布団だと思っていました。
触ってみると非常に柔らかく、ボリュームもあるのに軽い掛け布団でした。
そこにしっかりとした重さとちょうど良い硬さで頭を支えてくれる枕。
普段畳の上で寝ている人でも寝苦しくないだろう、適度に硬いマットレスが組み合わさっています。
この日は完全に熟睡できました。
あとでご紹介する温泉も相まって疲れが吹き飛びます。
ベッドの上にはアメニティやホテルのオリジナルタオル、浴衣帯や羽織が置かれていました。
特に嬉しいのが写真中央の羽織。
これは受付で選んだ浴衣とは別のものです。
このホテルは豪華な温泉だけではなく、同施設内で楽しめる食事処も大きな魅力の1つ。
温泉を出た後、一杯引っ掛けたりするのに、体が湯冷めしないよう配慮が伺えます。
枕元にある棚はラジオやコンセントなどが内蔵されています。
また、電話やドライヤーもここにまとめられていました。
ツインルームなので、コンセントが2つ欲しいところですが、スマホなどが普及する前からある施設なので仕方がないかもしれません。
その他過ごしやすさに関する内装として気になるエアコンからの風は、相当強くしない限り、顔に当たって寝苦しいということはありません。
トイレとバスルーム
大浴場も共用トイレも備えているこのホテルですが、部屋にはちゃんとユニットバスとトイレが用意されています。
広さとしては十分スペースがあり、高さもあって閉塞感は感じません。
清潔で快適に使用できます。アメニティも豊富でシャンプーやリンス、ボディソープはもちろん、保湿剤や乳液等も用意されていました。
いざ「華やぎの章慶山」の大浴場へ!
到着時間が遅かったとはいえ、せっかくなのでユニットバスで済ませず、大浴場を楽しんできたいと思います。エレベーターを降りて大浴場のある1階へ。
一般の方がいて撮影できませんでしたが、大浴場の前には大浴場街という食事処が用意されています。
温泉を出てすぐのところに食事とアルコールが楽しめるというのは素晴らしい仕組みですね。
このホテル自慢の温泉は2ヶ所ありますが、昼夜(11:00-26:00)と朝(5:00-10:00)で男湯と女湯が入れ替わる仕組みです。
脱衣所に入ると広さに驚きました。
施設の規模が大きいのである程度は予想していましたが、ここまで広いとは。
宿泊客以外でも1,000円で日帰り入浴が可能なだけあって、大銭湯といった様相です。
そして大浴場に入ると、この景色。
スケールの大きさに驚きました。圧巻の一言です。
お湯も万人受けする癖のない泉質で、肌がスベスベになる印象です。
温泉の名前にもなっている美肌の湯というのも頷けます。
館内風呂だけでなく、立派な露天風呂も備えています。
ここでご紹介しているのは岩風呂ですが、時間により入れ替わるもう1つの露天風呂は桧造り。
温泉自体も素晴らしいですが、目でも楽しめる贅を凝らした趣向に大満足です。
水風呂やサウナも備えていて最高の大浴場です。
ご紹介済みの寝心地最高な布団も相まって、この日は夢も覚えていないほど熟睡できました。
朝食バイキング
翌朝、お待ちかねの朝食の時間です。
昨夜見れなかった窓からの景色は、カーテンを開けるとこんな感じでした。
宿泊したフロアが3階だったので景色は見れませんでしたが、もっと高層階に宿泊すれば温泉郷である石和町が見渡せるのかもしれません。
朝食のチケットを持って、会場に向かいます。
朝食会場も大浴場すぐ近くという嬉しい場所。
温泉に入って、その足で朝ごはんをいただくことができます。
温泉に浸かりながら、朝食を想像していましたが、やはりというか贅を尽くした朝食です。
種類も書ききれないほどありますが、そのどれもが本当に美味しそうで、自分が取った料理は、事実どれも美味しかったです。
他のお客さんもいて全てのメニューは撮れませんでしたが、和洋中が網羅されていて、若い女性が好きそうなデザートまで充実しています。
こちらが取ってきた料理です。
どれも美味しそうで思わず欲張って取りすぎてしまいました。
とはいえ、本当に美味しいので難なく完食してしまえます。
グルメレポートのように多彩な言葉は綴りません。
一言で言うと最高です。
特に印象に残っているのが、シェフがその場で作ってくれるふんわりオムレツ。
オムレツの中に入れたい具材を、用意されたカードから選んで渡すと、ものの数分で料理してくれます。
レストランで単品料理として注文できるレベルの美味しさでした。
おかわりも可能です。
ここでご紹介したのは朝食ですが、このホテルでは宿泊者以外でも2,000円で楽しめる昼食バイキングのプランが用意されています(2020年3月上旬現在)。
1日の予約人数が30名以上という条件付きでの実施ですが、大浴場に入浴することもできるので超お得です
(公式ウェブサイト:https://keizan.com/day_plan.html)。
ご興味ある方は、是非調べてみてください。
その他の充実の館内施設
大浴場だけでも素晴らしいですが、このホテルにはその他にも料亭や酒場、宴会場、カラオケルームなども完備されています。
また夏季限定になりますが、半室内の温泉プールも楽しめるという充実っぷり。
一度だけでは楽しみきれないほどの用意があること自体、魅力の1つではないでしょうか。
(公式ウェブサイト:https://keizan.com/facilities.html)
華やぎの章慶山へのアクセス
電車の場合
石和温泉駅南口より徒歩5分
(JR石和温泉駅〜宿間で送迎サービスあり ※要事前予約)
車の場合
一宮御坂I.CからR20号経由で5分
富士吉田I.CからR137号経由で50分
雁坂トンネルからR140号経由で50分
周辺環境
石和町はぶどうが有名な町で、ワインの生産も盛んです。
ワインの熟成にクラシックを聞かせているというユニークなモンデ酒造は、ホテルからも徒歩数分の距離。
お酒が好きな方はもちろん、社会見学が好きな方にもオススメしたい場所です。
また山梨県で古くから盛んな宝石細工にまつわる観光施設「宝石庭園」もあるのでオススメ。
山梨県の宝石細工の歴史、様々な宝石の性質などに加え、伝統工芸師が宝石で描いが絵画「貴石画」を見学することができます。
近くにコンビニやドラッグストア、スーパーはあるの?
ホテルのお土産コーナー横にヤマザキYショップが併設されています。
また、道向かいにローソンがあるので深夜にコンビニを利用したくなったら、こちらが最寄りになります。
ドラッグストアはサンドラッグ石和が一番近く、徒歩数分。
スーパーも駅前にザ ・ビッグ石和店があるので困ることはないでしょう。
晩御飯どうする?
山梨県の名物であるほうとうを提供する「甲府ほうとう 小作石和駅前店」が駅前にはあります。
しかし、このホテルの中にはすでにご紹介した料亭や酒場、割烹や焼肉店も併設されています。
温泉に入った後のリラックスした浴衣で訪れることができるのは、大きなアドバンテージだと思います。
選択肢も多いので、是非ホテルで晩御飯を楽しんでください。
華やぎの章慶山のレビューまとめ・評価
以上、山梨県の石和町にある「華やぎの章 慶山」でした。
恥ずかしながら著者は、宿泊する室内に入った時、作業性も悪そうで、ご高齢の方が好みそうなホテルだと思いました。
しかし、それは大きな誤解でした。
このホテルの真髄は、贅を尽くした仕組みで宿泊客をもてなし、上質な宿泊体験を提供することです。
これは、仕事を終わらせるためではなく、仕事を終わらせてから来る場所だという意味です。
そして、個人的には若い方にこそ来て欲しいと思いました。
条件付きではありますが、ランチプランに代表されるようにリーズナブルにも関わらず、天然温泉やハイグレードな食事が楽しめる仕組み。
これはフットワークが軽い若い客層にこそ強く刺さるものだと思います。
通常の価格設定はやはりホテルのレベルに応じたものですが、予約サイトであるAgodaやBooking.comなどの割引を利用すれば、一般的なビジネスホテルと同様の価格帯で朝食まで楽しめます。
県外から山梨県にいらっしゃる方のみならず、県内の方にも強くオススメしたいホテルです。興味のある方は是非「華やぎの章 慶山」をご検討ください。
華やぎの章 慶山の情報
ホテル名 | 華やぎの章 慶山 |
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所在地 | 〒406-0023 山梨県笛吹市石和町市部822 |
電話番号 | 055-262-2161 |
アクセス | 【電車の場合】 石和温泉駅南口より徒歩5分 (JR石和温泉駅〜宿間で送迎サービスあり ※要事前予約) 【車の場合】 一宮御坂I.CからR20号経由で5分 富士吉田I.CからR137号経由で50分 雁坂トンネルからR140号経由で50分 |
駐車場 | ホテル正面玄関道向かいにある小松有料駐車場(華やぎの章慶山利用者は無料) |
URL | https://keizan.com/ |
インターネット | Wi-Fi使用無料 |
宿泊したプラン / 部屋
宿泊日 | 2020年3月2日(月) |
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プラン | 禁煙ツインルーム朝食込み 1名(夕食はなし) |
料金(税込) | 7,800円 ※料金は同じプランでも曜日や空室状況によって異なります |