旅の醍醐味は自分と同じような旅人との出会いもあります。
隔離された上質のプライベート空間で落ち着くのも心が休まりますが、今回ご紹介する「BOOK AND BED TOKYO SHINJYUKU」は、ユースホステルやバンガローのように旅人同士が触れ合える宿です。
アートでちょっとマニアックだけど、素敵な本にかこまれたオシャレ空間で、日本大好き外国人旅行客のナマの英語が話せる、そんなエキセントリックな一夜も、たまには面白いのではないでしょうか?
このレビューの目次
BOOK AND BED TOKYO とは
「BOOK AND BED TOKYO」は、アトリエブックアンドベッド株式会社が運営する「泊まれる本屋®︎(←商標とってるんですね)」と言う、ちょっと変わったコンセプトのホステル(宿泊施設)です。
少し前にメディアでも結構取り上げられ、今では「池袋、赤坂、京都、心斎橋、福岡」にも展開するグループチェーンとなっております。
どの店舗もとにかくオシャレな空間を提供していることが特徴で、サイトもシンプルで綺麗にまとまっており、特に本好き、サブカル好きの方は一度は興味を持ったことがあるかと思います。
宿泊したプラン
今回は、
「泊まれる本屋」駅近・全館禁煙【Barドリンク付きプラン】
というプランにしました。
基本的にこちらでは食事はカフェで提供する軽めのものしかなく、その代わりに宿泊客以外も利用できるCafe&Barを併設して運営しているため、こちらのドリンクチケットも付けてみました。
なにせここは天下の歌舞伎町、食事などに困ることはありませんからね。
価格は税込7,800円。
ホステルと考えれば少し割高ですが、歌舞伎町のド真ん中という立地を考えれば、まずまずといった所です。
BOOK AND BED TOKYO SHINJYUKUの館内設備
西武新宿駅(PePe)から2分以内。
脇の道路渡って少し入ったAPMビルの8階です。
1F〜4Fがコンセプトアミューズメントセンターで、脱出ゲームやVRゲームなど様々なゲーム施設やレストランが入っています。
正面がエレベータになっており、エレベーターから出るとすぐにフロントになります。
ちょっと手狭ではありますが、まずはここでチェックイン。
24時間、歌舞伎町に繰り出すことができるホテル入口のキーも兼ねたルームキーとBarのドリンクチケットが渡されます。
店内でのWi-fi使用のためのパスワードもここで教えてくれます。
洗練された本好きのためのデザイン空間
店内に入るとそこはもう別空間。
オシャレに本がずらりと並び、居心地の良さそうなソファが待ち構えております。
海外でも人気のマンガ「AKIRA」のページを空間オブジェのようにレイアウト。
まるでコミックの世界に入り込んだような錯覚に陥ります。
雑誌の空間レイアウトもかなり大胆で斬新。
本をインテリア・アイテムとして見せ、配置しております。
こういう事は電子書籍にはできませんので本好きとしては嬉しい限りです。
店内にはタブレットが置かれ、建物の地図や利用情報などが閲覧できます。
ベッドの配置がちょっとしたダンジョンみたいになっていますので案内図で確認してください。
ベッドについて
ホステル形式ですので、自分のベッドで休むスタイルになります。
この日、記者のベッドは2段ベッドの上になっていました。
カーテン一枚で仕切られたこの中に入っていきます。
カプセルホテルなどに比べると、外国人客も意識してか少し広めではありますが、正直閉塞感はあります。
枕元に電源と調光ボリュームがあり、ベッドライトの明るさを調節できます。
頭の上に金庫があり、貴重品を入れられます。
ただ、フロントでも預かってくれるので、本当に貴重なものはフロントに預けるのが良いかと思います。
布団、枕には自分でシーツをかけるスタイル。
シャワーで使えるタオルが一枚、支給されます。
ちょっと気になったのは頭上に謎の黒いクッションみたいなもので覆われていること。
おそらく防音のためとは思いますが異様な雰囲気です。
「音」と言えば、こういうホステルで他人のイビキなどが気なる人のために耳栓を無料で提供しておりました。
トイレとバスルーム
ホステル形式なので、シャワーとトイレは共同になります。洗面所などとも一緒になっており、ドライヤーも無料で使えます。
シャワーにはシャンプー・リンス・ボディソープが据え置かれ、無料で使えます。
シャワーのタイプには日本のユニットバスのようにお湯が溜められるものもありました。
疲れた時などお風呂にしても良いかもしれません。
どんな本が置かれているの?
やはり、「BOOK AND BED TOKYO」に来たからにはどんな本が置かれているかが気になる所です。
そのラインナップのチェックにリビングフロアに戻ります。
正面には「座れる本棚」、段々形の椅子の下に本がレイアウトされています。
見た目もいいし、すぐに本が取れる、戻せるのもいいですね。
置かれてる本でまず目立つのは東京や新宿のことについてディープに語られている本。
このあたりは新宿ならではだと思います。
海外観光客向けに富士山の写真集も結構ありました。
きれいな写真集やビジュアル要素の強い図鑑なども多くあります。
パラパラ見ているだけでも楽しくなりますね。
ちょっとマニアックな音楽系雑誌もかなりありました。
やはり海外からの観光客の方にとって、津波や、その後の復興の話などは興味があるのだと思います。
他にも料理の本や手芸の本など、ちょっと普段は見つけにくいような本が色々あります。
しかし、なんと言っても日本に来る外国人のお目当てはJコミックでは無いでしょうか。
人気のAKIRAはもちろん、多くの話題作の英語版が読めます。
普通に日本人が見ても面白いし、ちょっとした英語の勉強になること間違いなし。
窓の景色
フロアの各所に、窓辺にソファが置かれ、夜景を見ながら読書を楽しむことができます。
西武新宿線からの街並みの夜景を満喫できます。
一方で歌舞伎町はオリンピックに向け、まだまだ開発が進むようですね。
Cafe&Barでちょっと一杯
今回の宿泊プランでは、併設するCafe&Barも利用できますので、さっそくご紹介します。
こちら、一般客も普通に利用できます。
Wi-Fiが使え、かつ電源も各席に設置されていますので、普段の電源カフェとしても便利です。
ちなみにネット速度はまあまあといったところ。
最初にもらえたドリンクチケットではこの店ならではのセレクションの、一風変わったお酒やカクテルが楽しめます。
私が今回チョイスしたのはレモンビール。
さっぱりしていてビール特有のクセも少なく、女性にもおすすめできます。
BOOK AND BED TOKYO SHINJYUKUへのアクセス
西武線西武新宿駅が最寄りになります。
JR新宿駅からだと東口を出てまず歌舞伎町、西武新宿PePeに向かう感じになります。
西武新宿駅駅前の右手、マクドナルドを挟んだ道路を進んでください。
少し進んだ先にあるセブンイレブンとカラオケ館の間を右に、すぐ脇の道に入ります。
道を折れてすぐに「BOOK AND BED TOKYO」が入っているビルが右手に見えてきます。
壁に「歴代キティちゃん」のギャラリーがありますので、こちらを目印に。
ビルを回り込むような形で進むと、派手なゲームセンターが1Fにあり、そちらを回り込むような形でエレベーターに向かいます。
周辺環境…不夜城・歌舞伎町で終電の心配なく遊べます
ビルを出れば、すぐに歌舞伎町のド真中に出てきます。
晩メシの心配など全く無用です。
おなじみゴジラビルもすぐ目の前です。
リアル「龍が如く」の世界です。
一時期に比べ、外国人観光客が安心して遊べる健全さをだいぶ持ち合わせるようになったと思います。
ただ、やはりいかがわしい夜のお店も健在で、清濁併せ呑んだ人間臭い魅力的な街であります。
眠らない街です。夜中になっても揃わないものはないのではないでしょうか。
今回、あえて晩メシのオススメを挙げる必要もないかと思いますが、強いて言うならこちら。
西武新宿駅から宿までの間にある「しんぱち食堂」。
美味しい焼き魚定食が食べられることで有名で、いつも人が溢れています。
宿からも近いです。
「BOOK AND BED TOKYO」利用の注意点
こまで「BOOK AND BED TOKYO SHINJYUKU」の長所を述べてきましたが、短所もお伝えします。
まず、アメニティはほとんど用意してもらえません。
タオルなどの余分も自分で用意する必要があります(もちろん有料で売っていますが)。
ベッドでの飲食ができないので、Barが終了した夜間に喉が乾いたな、と思ったら目の前のコンビニまでビルを出て、水を調達し、共有スペースで飲まなければなりません。
一番困ったのはベッド。
入り口が狭く、いい年してジャングルジムをやるような体力が必要になります。
若い方は全く問題ありませんが、年配の方やちょっと太めの方はベッドに入るのも一苦労でしょう。
荷物を置くスペースがないので、旅行客が通路に散乱させるのも困りものです。
夜、新宿を取材して部屋に戻ると、記者のベッドまでのハシゴがこんな状態に。
下のベッドの観光客だと思いますが、ハシゴをハンガー代わりにされてしまい、かといって夜中寝ているところを、他人のコートをいじって外国の方が言葉もわからないのに怒り出したら収集つかないと思ったので、しょうがないから隣のハシゴから飛び移るという真夜中にアクロバティックな事をせざる得なくなっていました(泣)。
人間的な触れ合いを求めて
深夜トイレに行くのも、ベッドの昇り降りが大変なのに加え、外国の方と譲り合ったり話をしなければなりません。
このような人との関わりが面倒、と思う方ははっきり言ってこの宿はまったくおすすめできません。
しかしながら、こうした夜中にトイレを譲り合って、言葉はわからないけどお互いに苦笑しあったり、マニアックな本を見て、意味もなくニヤニヤし合ったりという、不思議な触れ合い体験ができるのです。
英語力に自信のある方なら、もっと楽しく話が出来るはず。
なにせ相手は日本が好きで日本に来てくれたお客様なんですから。
夜遅くまで、こうして話をしたいのか、何人か起きている外国の方がフロアにはおります。
コミュ力に自信のある方なら思い切って声をかけてみてはいかがでしょうか?
我々にはサブカルチャーという共通言語がありますし。
近くにコンビニは?
ホテル正面に24時間営業「ファミリーマート」、少し歩けばドラッグストア、なんと言っても、何でも揃う激安ジャングル「ドン・キホーテ」が徒歩圏内にあります。
BOOK AND BED TOKYO SHINJYUKUのレビューまとめ・評価
「BOOK AND BED TOKYO SHINJYUKU」は、とにかく本大好き、サブカル大好き、オシャレ空間大好きの方にとってはドラマのワンシーンの中に自分がいるような楽しい体験ができます。
今回、ビジホモード的にも純粋な宿としての評価は辛口に書かせていただきましたけど、そもそもホステルは若者の出会い、国際的な交流の場でもあるのです。
こうした場に社会人になってからでもふらっと入っていってみたい、そんな気持ちになることもありますよね。
おまけに立地はとにかく最高。
歌舞伎町は深夜過ぎても人を飽きさせることはありません。
いつものお決まりのチェーン店ホテルも良いですが、たまには気分を若くして、この異質な空間の魅力を味わってみてはいかがでしょうか。
BOOK AND BED TOKYO SHINJYUKUの情報
ホテル名 | BOOK AND BED TOKYO SHINJYUKU |
---|---|
所在地 | 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-27-5APMビル8階 |
電話番号 | 03-6233-9511 |
アクセス | 西武線西武新宿駅より徒歩2分 |
駐車場 | 無し |
URL | http://bookandbedtokyo.com/shinjuku/ |
インターネット | Wi-Fi無料 |
宿泊したプラン / 部屋
宿泊日 | 2019年12月1日(日) |
---|---|
プラン | 「泊まれる本屋」駅近・全館禁煙【Barドリンク付きプラン】 (楽天トラベル) |
料金(税込) | 7,800円 ※料金は同じプランでも曜日や空室状況によって異なります |