阿佐ヶ谷と言えばバンドマンや役者、アーティストなどのサブカル民の街として、知る人ぞ知るマニアックな街です。また個性的な呑み屋が集う街としても知られています。
今回紹介する「スマイルホテル東京阿佐ヶ谷」は、阿佐ヶ谷で呑み明かすための基地として絶好のロケーションです。
かつて学生時代、東京で一人暮らしをしていた大学生が社会人となって地元に戻った時、ふと「あの頃」を思い出させてくれる、そんなホテルの魅力をご紹介していきます。
このレビューの目次
「スマイルホテル」とは
スマイルホテルは株式会社ホスピタリティオペレーションズが運営をしている日本全国に展開するフランチャイズホテルグループです。
ホスピタリティオペレーションズは各地のホテルをターンアラウンド(事業再生)をしてスマイルホテルとして運営する他、全国共通のホテルポイントカード「Aカード」の運営も行っています。
「スマイルホテル東京阿佐ヶ谷」は2010年に「ホテルスカイコート阿佐ヶ谷」より改称。
以来、同社によって運営されております。
宿泊したプラン
今回利用したプランはこちら
シェフこだわり「和定食」付プランJR阿佐ヶ谷駅徒歩1分♪新宿駅から乗り換え無で約10分!
毎度、旅行サイトのプラン名について、名前にホテルの特徴を入れようと無駄に長くなっているのは、個人的にはどうかと思うのですが、まぁこのホテルの特徴をまんま表しています。
価格は7,300円(税込)。
繁忙期でなければだいたいこの値段で安定して予約できるのもこのホテルの特徴です。
これはすなわち、来客に波があるのではなく、常に一定の固定客がいるということが想定されます。
実際、このホテルの客は大きなアタッシュケースを何個も転がしながら来る客、というより、男女とも本当に軽装で、ここの宿泊に慣れているお客が目立っていました。
この理由についても、後ほど考察していきます。
ホテルの外観
まず、このホテルの衝撃的な外観を御覧ください。

JR中央線、阿佐ヶ谷駅目の前どころの話ではない……ホームからもろにホテルの様子が伺えます。
1週間に2700万人もの利用者があるというJR中央線。
少なくとも毎朝数万人の目に必ず飛び込んでくるホテルです。
満員電車に押しつぶされながら「ああ、あそこから出勤できたら楽だろうなぁ」なんて考えたサラリーマンも少なくないでしょう。
中央線利用者にとっての絶対的な認知度……これがスマイルホテル東京阿佐ヶ谷の特徴のひとつでもあります。

目の前にありますが、流石にホームからジャンプして……なんてのは無理ですので、駅改札から徒歩で入り口に回り込みます。
約1〜2分といったところです。
「スマイルホテル東京阿佐ヶ谷」の館内設備
エントランスから入ったすぐに、ラウンジ代わりになるテーブルとソファーがあります。
カウンターテーブルには電源コンセントがあり、スマホなどの充電ができます。またここには宿泊客用の様々なガイドブックが置かれています。
奥にはコインランドリーなどもありましたが、まずはフロントへ。
フロント
ちょっと狭目のフロントです。
お客が混んでいると待たされるかも知れませんが前述のラウンジなどで慌てず順番を待ちましょう。
ここではアメニティのヘアブラシとひげ剃り、フェイスローションなどがもらえます。
ここで部屋の鍵と朝食券を受け取ります。
エレベーター
チェックインを済ませたらフロント隣のエレベーターへ。
ここでは新聞が売っていました。
三大紙を無料で配るホテルもありますが、ここではスポーツ新聞なども買うことができます。
エレベーターはフロントの隣というロケーションもあってかセキュリティ的な事も必要なく、普通にボタンを押せば、部屋のフロアに登ります。
なお、このホテルは1階以外は全て客室で、自分の部屋の階以外に行く必要はない構造になっています。
エレベーターを出た所。
各階にドリンクの自動販売機ならびにVODのカードがあります。

廊下の奥行きはそこまででもありません。
鍵はひねった状態でドアを押し開けるタイプ。
さっそく部屋に入ってみます。
「スマイルホテル東京阿佐ヶ谷」の客室は?
部屋は少し狭め、しかしウッド基調の落ち着いた雰囲気です。
ユニットバスの扉がこのウッド風テイストなのは少し珍しいですね。

部屋のキーホルダーを差し込むことで部屋の電源を供給されるシステムです。
したがいまして、部屋を出ると室内の電源が落ちてしまいます。
ノートパソコンなど、部屋を出てその間に充電などをしたい時には注意が必要です。

クローゼット
入り口すぐ側にクローゼット。
ハンガーは2つ、それに消臭剤。少しスペースがあり、小さいかばんなどなら入りそうです。
使うことはないでしょうがここに室内のブレイカーがありました。

テーブル&備品
部屋の壁側にカウンター・テーブルのような形で位置しています。
狭い部屋を有効活用してありますね。
椅子もそれようにあしらわれたもの。
流行りのLEDスタンドもあり、ちょっとした仕事ならばこの机でできます。

テーブルの下にはドライヤーに電気ケトル、マグカップがあります。それと冷蔵庫。飲み物程度なら入れておけます。
TVとWi-Fi
テレビは日本製。
MITSUBISHIのREALというブランドのもの。
起動するとホテルガイドやVODのメニューが起動します。
ここでWi-Fiの案内がありますが、基本的にパスワード不要でアクセスできます。
ちょっとセキュリティが不安ですが、短時間使うならこれで十分。
ただ、ちょっと回線は遅めです。

広めのベッド

シングルルームですが、ベッドはセミダブルサイズ。
ガウンとタオルも2セット用意されていました。
ちなみに小学生未満のお子様1名添い寝無料です。
寝心地も良い方でした。
枕元の間接照明はいい雰囲気を出しています。
エアコンもベッドの近くなので温まりやすいですね。
枕元には部屋のリモコン系が集中しているのに加え、充電コンセントなども充実しています。
寝ながらスマホも快適です。
ユニットバス
スタンダードなユニットバスです。
ハンドタオルは2枚用意されていましたが、コップ、歯ブラシは1セットでした。
シャンプー、リンス、ボディーソープのセットがあります。
浴槽は狭いですがお湯は溜められます。
窓からの風景は?
今回泊まった部屋は窓が駅側ではなく、街側を向いていました。
しかし風景は駅前でビルも多いため、いたって普通の街並みが見える程度。
向かいのマンションの階段から部屋が丸見えになるので、必要がなければカーテンを閉めたほうが良いでしょう。
館内はシンプル
前述したとおり、1階以外は客室しか無いので、このホテルは宿泊階と1階以外には用はありません。
客室各階のエレベーター前に自販機が設置されているため、お酒でも清涼飲料水でもすぐに調達できます。
1階にはゲスト用トイレとコインランドリーが2台置かれていました。
フロントの近くに電子レンジもあります。
あと、フロントに頼めばFAXやコピーも使えるそうです。
ロビーにはホテルスタッフお手製の阿佐ヶ谷グルメやオススメ呑み屋のMAPがあります。
夜のお散歩・出陣前の参考に(笑)。
スマイルホテル東京阿佐ヶ谷の朝食は?
朝食はビル1階の別テナントである「日本酒ぜろ」にて7:00から9:30までの間で食べられます。
フロントで事前にもらったチケットを持参するのを忘れずに。
このプランの目玉で、ホテル自慢の朝ごはんです。
呑兵衛の街、阿佐ヶ谷にある「ぜろ」は、日本酒居酒屋だけあって和食が美味しい。
「あきたこまち」に厳選熟成味噌3種を日替わりでブレンドしたこだわりの味噌汁、焼き魚に温泉卵とシンプルながら味わい深い朝食がいただけます。
プラスして珈琲やドリンクも頼めます。

街中ルート? Beansルート? スマイルホテル東京阿佐ヶ谷への行き方
阿佐ヶ谷駅ホームからほんの目と鼻の先にあるスマイルホテル東京阿佐ヶ谷ですが、ここに行くには入り口までぐるりと回らなければなりません。
まずホームを降り、阿佐ヶ谷駅の改札に向かいます。
改札を右手、南口方面に進みます。駅を出る手前、右側に駅ビルBeansの連絡通路方面に向かいます。
あとは、この道を真っ直ぐ進むだけ、ガード下手前道路左側にホテルの入口が見えます。
一方で、駅を出て阿佐ヶ谷の街並みを歩くルートもいいですね。
雨が降れば別ですが、ただ通路を歩いていくだけのルートより、街の雰囲気を味わえます。
駅南口のロータリーを右、交番の横を通り抜けていきます。
そこから線路脇のかなり細い路地を真っすぐ進みます。
すると、ホームでみた建物に突き当たります。
途中、阿佐ヶ谷の呑み屋街を通り過ぎていきますが、引きづられませんように(笑)。
大人の(呑兵衛の)ディズニーランド(笑) 阿佐ヶ谷ガイド
このホテルは、阿佐ヶ谷の呑み屋街を通り抜けるようなロケーションですが、阿佐ヶ谷はとにかく小さな呑み屋が沢山あります。
まだ日本がバブルあたり、そしてちょっとだけ過ぎたあたり……、いわゆるバンドブームであったり、サブカルブームだったりしたあたりでは、阿佐ヶ谷はちょっとイケてる若者の街として栄華を極めておりました。
個性的な酒場が立ち並び、皆何件もハシゴをしながら仲間と呑んでいたりしたものです。
今では、当時の若者たちもいいおっさんになり、また最近では「若者の酒離れ」なる、会社の同僚と「呑みニュケーション」なんて文化が嫌厭されるような時代になっているため、酒場は昔ほどの盛り上がりが正直失われつつあります。
しかしながら、個性的なコンセプトのちょっと小さいけど居心地の良い呑み屋たちは、なお健在です。
お酒好きなら、通りを歩いているだけで「吉田類」的な気分を味わえます!
さて、肝心の晩メシですが、呑み屋街の中で面白い店を発見。

名前からして「男の晩ごはん」です。
ちらと店内を見ると、もう、溢れんばかりの男子(おっさん)の巣窟です。
素敵ですね。
これはもう入ってみるしかありません。
男子向けの主張に満ち溢れた、コスパ抜群の晩メシセットが盛りだくさん。
数えられないほどの阿佐ヶ谷の独り身のおっさんを救ってきたのでしょう。
何を食ってもおなかいっぱいになるのでしょうが、今回は陶板麻婆豆腐にビッグなハンバーグを載せたボリューミーなご飯をチョイスしました。
カロリーなんて知るかぃ♪
程よい大人の辛さが効いたガッつり飯です。
……と、ここまでおっさん臭い記事で、女性読者の皆様には大変失礼いたしました。
もう少しおしゃれでセンスのあるお店が良い方は、こちら。

先の「男の晩ごはん」からも「スマイルホテル東京阿佐ヶ谷」からも程よい距離に「山猫軒」なるフランス料理の人気店があります。
無農薬野菜に美味しいワインが味わえますよ。
また
「高級フランス料理店」も「おっさんの巣窟の店」も、なんかなあ、もう少し気軽に入りやすいお店は? という皆様にはこちら。
駅に少し戻って、駅ビルBeans東側にあります「chawan」さんはいかがでしょうが?
おしゃれな店ですが、気軽に入れますよ。

最寄りのコンビニは?
ホテルを背に、正面の線路(高架下)通りを1分くらい歩けばすぐにローソンがあります。
しかし、もし余裕があるなら、阿佐ヶ谷駅前まで戻れば、北口正面に「イトーヨーカドー」と、24時間空いている「SEIYU」があります。
これなら何でも揃いますね。
まとめ…過ぎ去りし時を求めて
なんかドラクエのサブタイトルのようなキャッチを書きましたが(笑)、
阿佐ヶ谷はサブカルチャーに憧れる若者たちの聖地として人気の高い街でした。
「でした」と、過去形にしたくはないのですが、今の若い人たちは、何件もおしゃれで渋い呑み屋を渡り歩く、という、フォークでロックでちょっと左巻きの文化が少なくなってきたように思います。
事実、通りを歩いているのは、やはり昔の呑兵衛さんたち……という感じで、女性や学生たちは、親から注意されているのでしょうか、呑み屋通りではなく、駅ビル下の連絡路を通って、住宅街に抜けている感じでした。
しかし、これらの酒場街は、かつて青春時代にこの街で過ごしてきた人たちにとって、特別な場所であります。
「スマイルホテル東京阿佐ヶ谷」には、就職で地元に戻った人が、出張で東京に来る用事ができた時、かつての思い出、慣れ親しんだ街で、寛容に満ちた優しい酒場を巡り歩きながら、せめてこの夜を楽しく過ごしたい、という思いからチョイスする宿のようにも見えました。
事実、記者が泊まった日は、明らかに「常連」という日本人客がかなり多かったように見えました。

時代が令和になり、サブカルチャーも呑み屋もその意味が大きく変わってきてはいます。
そうした中で、「あたらしい、けど、なつかしい」阿佐ヶ谷の街をじっくりと楽しむ基地として便利、もちろん中央線からの最高のアクセスと日本酒居酒屋の美味しい和朝食を味わう、
……という事でしたら、この「スマイルホテル東京阿佐ヶ谷」をぜひお勧めします。
スマイルホテル東京阿佐ヶ谷の情報
ホテル名 | スマイルホテル東京阿佐ヶ谷 |
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所在地 | 〒166-0004 東京都杉並区阿佐ヶ谷南3-37-11 |
電話番号 | 03-3220-8755 |
アクセス | JR中央線阿佐ヶ谷駅より徒歩1分。 |
駐車場 | ホテル前平面駐車場(2台) 1泊¥1,500 |
URL | https://smile-hotels.com/hotels/show/tokyoasagaya |
インターネット | 無料Wi-Fiあり |
宿泊したプラン / 部屋
宿泊日 | 2020年1月26日(日) |
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プラン | シェフこだわり「和定食」付プラン!JR阿佐ヶ谷駅徒歩1分♪新 宿駅から乗り換え無で約10分 |
料金(税込) | 7,300円 ※料金は同じプランでも曜日や空室状況によって異なります |