神奈川県の箱根といえば古くから富士山や芦ノ湖、大涌谷などの景勝地だけではなく、数々の温泉もまた多くの人に愛されてきました。
その証拠に古くから旅人をもてなす上品な老舗の宿が数多く存在する旅館の街でもあります。
そんな箱根にあっても非常に由緒ある旅館、それがこの度ご紹介する「底蔵の湯つたや旅館」です。
江戸時代に創業され、箱根七湯に数えられる名湯「底蔵温泉」を持つ由緒ある旅館です。
現在経営されている方で7代目にあたるそう。
これだけ聞くとさぞ年季の入った施設だろうと思う方もいるかもしれません。
しかし、冒頭のアートギャラリーで撮られたようなお洒落な写真、実はこの旅館のものなんです。
今回は老舗旅館らしい本格露天風呂と和モダンにリノベーションされたお洒落な空間が同居する箱根の旅館「底蔵の湯つたや旅館」のレビューをお届けします。
複数人でも宿泊可能な個室タイプからキャビンタイプのリーズナブルな価格帯の宿泊プランも 用意されているので、節約したい宿泊者の方にも懐の広い旅館です。
箱根にこれから来られる方、箱根に行きたいと思っている方、何よりインスタ映えするようなお洒落な建物に興味がある方は必見です!
ぜひ見ていってください♪
このレビューの目次
宿泊したプラン
今回はBooking.comを利用し、
「キャビンタイプ 男女共用 二段ベッド1名分」
を予約しました。
宿泊費は税込3,500円ですが駐車場が別に500円かかります。
4台分しかスペースがないので車で来館予定の方は予約の前に駐車場の空きがあるか施設に確認することをお勧めします。
通常時の価格と部屋のタイプは?
他の部屋タイプと通常時の税込価格はだいたい以下の通りです。
・KAGODOKO -籠床- (キャビンタイプ)1名: 3,500円〜 5,200円
・STANDARD ROOM (和室/洋室)1名:7,000円〜9,680円
・TATAMI SUPERIOR (和洋室): 1名26,000円〜40,920円
※Booking.comより、2020年3月上旬調べ。日曜日(閑散日)と土曜日(繁忙日)で比較。
外観と館内設備
到着した時には陽もとっぷり暮れてあたりは真っ暗という状態でしたが、ホテル入り口の提灯が煌々と迎えてくれました。
入口も雰囲気のある作りで期待が高まります。
暖簾をくぐり、戸を引くと下に続く階段があります(この旅館は入口が道路側に、建物が谷側にあります。入口が一番高い位置にあるため、川向かいからでないと外観がわかりません)。
セキュリティのあるエントランスをくぐってレセプションへ向かいます。
レセプションはさらにもう一階分階段を降りるようです(エレベーターもちゃんとあるので車椅子の方でも宿泊可能です)。
中はデザインに凝った華やかな印象を受けます。
レセプションはお洒落な中にカジュアルさを感じる内装で、どこか銭湯のような印象も受けます。
受付の方は非常に丁寧に愛想よく対応してくれました。
共用エリアも多く、ホテル内のルールは大切なのでありがたいです。
宿泊予約だけだと無料で受け取れるアメニティはタオル一本だけですが、歯ブラシやボディタオルなどは購入も可能です。
受付の参考画像の下に購入可能なグッズを簡単にまとめておきます。
また、館内は全館禁煙ですが入口の駐車場では喫煙可能です。
レセプションに言えば携帯灰皿を借りられるので一服したい方は声をかけてください。
梅:歯ブラシ、ボディータオル、カミソリセット、ヘアブラシ、安眠セット/300円
竹:梅のグッズ1品+バスタオル/500円
松:竹+館内着/1,000円
※単品での購入も可能
今回泊まるキャビンタイプの部屋はレセプションのフロアを一つ降りた場所でした。
渡されたカードキーを使ってキャビンフロアに入ります。
優しい照明の空間に木の香りが広がっていました。
新築の家に入ったときの感覚が近いでしょうか。
こちらが今回泊まるキャビンタイプの部屋。
キャビンの客室
ハシゴを登り暖簾をくぐって部屋に入ります。
キャビンタイプの部屋はこんな感じ。
膝を立てると頭がぶつかる高さですが、いわゆる一般的なカプセルホテルと比べると空間にゆとりがある印象です。
ベッドサイズは120cmで大の字にこそなれませんが寝返りを打つには十分な広さです。また、マットレスの足元には奥行き60cmほどの空間があり、入口と干渉せずに荷物を置くことができます。
入口付近には上着をかけるハンガーやズボンをかけられる工夫も施されています。
枕元には4桁の番号を自分で設定できる貴重品入れ、照明の強弱・ON/OFFのスイッチ、コンセント2つと常備灯が備わっています。
枕元には時計や飲み物などを置けるスペースが確保されていて使い勝手がよかったです。
また、枕とマットレスは硬すぎず柔らかすぎずといった印象です。
空調が一括管理ですが非常に快適に過ごせました。
木が湿度を調整するのに一役買っているのかもしれません。
入口の外側にはプライベートを確保する工夫もしっかりされています。
自分が部屋の中にいるときはもちろん、不在の時にもセキュリティ面でプラスなのでこういった多人数が泊まる場所ではなくてはならないシステムですね。
トイレとバスルーム
共用のトイレも清潔なのはもちろん、インテリアにこだわりを感じました。
備えられているアメニティは紙コップ、綿棒、ミント風味のマウスウォッシュです。
またドライヤーも二台あったので身支度を整えるのにも便利でした。
バスルームは共用の場合、一番下のフロアにある内湯と露天風呂になりますが、TATAMI SUPERIOR (和洋室)に限ってはプライベートバスがついてくるそうです。
オシャレすぎる!?和モダンテイストで開放的なラウンジ
キャビンルームの場合、作業性の確保はあまりよろしくなさそうなのでラウンジに行ってみましょう。
廊下を通ってエレベーターで一つ下の階へ。
レセプションの方がラウンジを強く推してたのでワクワクです。
そしてエレベーターを降りると・・・
おお・・・これは・・・凄すぎないですか?
ちょっと予想を超えてました。
代官山にありそうなオシャレカフェのようなブース、複数人でコタツに当たりながら歓談できるスペース、外国の方が好きそうな番傘のブースやお風呂をテーマにしたオシャレすぎる共用キッチン。
外国人のお客さんを含めて訪れる人たちの交流の場になって欲しいとの想いが込められてリノベーションされた空間みたいですが、端的に言って素晴らしいと思います。
カフェや図書館といった場所でまったり時間を過ごすことが好きな人にはたまらない場所ですね。
個別にみていきましょう。
まずはキッチン。
自動販売機の他に宿泊者の自炊や飲食物の保管用に用意されている冷蔵庫が置いてありました。
ゲストハウスなど安価で長期滞在に向く施設によくみられるシステムですね。
これが老舗旅館にあるとは・・・素晴らしい。
キッチン周りには料理器具がたくさん並んでいます。
友達とワイワイ話しながらこんな場所で料理できたら楽しいでしょうね。
上を見れば風呂桶(笑)。
テーブルにも大量の風呂桶があしらわれていました。
やはり温泉がコンセプトのようです。
続いてオシャレカフェブース(著者が呼んでるだけです)。
インバウンドの宿泊者向けしそうなソファーブースに対面型のテーブル席が3つ。
後ろに並んでいるのはこの旅館や箱根の歴史をめぐる書籍や資料です。
こういったコーナーは老舗ならではでないでしょうか。
窓際には個人が作業できるデスクが置いてあります。
季節にもよりますが日中だと緑が溢れている景色を前にして作業ができるのは良いですね。
続いて番傘ブース。
私が海外のお客さんなら確実にインスタ映えする写真を撮りまくってしまいそうです。
カップルや友達同士で記念撮影できるように番傘も2つ置いてありました。
こういうちょっとしたレジャー感覚っぽい遊び心も嬉しいですね。
そして奥にあるのが座敷ブース。
丸ごたつが2つと窓側に作業スペースが3つ。
テーブルにはコンセントが各席に2つずつ設けられ、席によってはノートパソコンを膝の上に載せられるグッズなどもありました。
また、ブランケットも壁際に用意されていて寒がりの人にも安心です。
著者は今回、ここで作業をすることに決めました。
いつもの作業アイテムを机に並べてみます。
奥行きこそパソコン一台がちょうど収まるくらいでしたが、横のスペースがとにかく広い。
これでも隣と30cmほど空いていました。
海外の方も多く泊まりに来る宿なので、地図を広げたりといったことも想定されているかもしれません。
つたや旅館の本格露天風呂と内湯
続いてお待ちかね、この宿自慢の底蔵温泉へ。
温泉は一番下の階にあって、露天風呂と内湯の2つが楽しめます。
温泉に置いてあるアメニティはヘアトニックや綿棒くらいなので必要なものは持参するかレセプションで買ってから温泉に向かいましょう。
キャビンブースに戻るためにセキュリティカードも忘れず持っていきます。
今回の取材では他のお客さんがいて露天風呂・内湯共に写真を撮ることはできませんでした。
しかし、それぞれに特徴があるので公式サイトの写真を紹介しつつ、文章で説明したいと思います。
全体の注意事項
内湯にはシャワーブースや洗い場がありますが、露天風呂にはありません。
まずは内湯に入りそこで体を綺麗にする必要があります。
また、建物の構造上、内湯から露天風呂に行くためには一度服を着て館内を移動する必要がありますのでご注意ください。
内湯
脱衣所も広く、ヘアトニック・綿棒・ドライヤー・給水機といったアイテムが揃っています。
また洗濯機とランドリーが1台ずつ備え付けてあるので洗濯しながらお風呂を楽しめます。
自販機等が近くにないので利用の際はお札ではなく100円玉を忘れないようにしてください(洗濯機は300円/1回, 乾燥機は100円/1回)。
なお洗剤は無料です。
内湯に入ると洗い場が4つ、シャワーブースが2つあり、中央に大きな温泉があります。
壁に仕切られていて外の景色は見えないつくりです。
温泉自体はやや暖かく長く入っていられます。
個人的にはここだけでも大満足です。
露天風呂
一度服を着て内湯から移動します。
屋外への扉を開けると内湯の時には感じませんでしたが、露天風呂では温泉らしい硫黄の匂いを感じます。
また、露天風呂にはドライヤー等のアイテムがありません。
脱衣場には衣服を入れておく籠と水道のみなので寒い時期は内湯の後ちゃんとドライヤーで髪を乾かしたほうが無難です。
露天風呂では前述のように洗い場がなく、石造りの湯船が囲われている構造です。
出典の写真は紅葉ですが、新緑や青葉が茂る夏でも気持ち良い景色が楽しめそうです。
温泉は露天風呂・内湯共に15:00-23:00, 6:00-10:00で楽しめます。
朝食
素泊まり形式のため、朝食はありません。
近くのお店だと渡邉ベーカリーというお店が9:30開店です(水曜日・第三火曜日が定休日)。
朝早く出かける方は事前に近くのコンビニでお弁当を買っておくのも良いでしょう。
底蔵の湯つたや旅館へのアクセス
電車の場合
小田原駅と箱根湯本駅のどちらで下車するかでバスの所要時間が変わります。
小田原駅の場合、箱根登山バス・伊豆箱根バスで「神社下」バス停まで約40分。
箱根湯本駅からの場合、箱根登山バス・伊豆箱根バスで「神社下」バス停まで約20分です。
旅館自体は「神社下」バス停の目の前です。
車の場合
東京・千葉・埼玉方面からか名古屋方面からかで最寄りのICが違います。
まず東京・千葉・埼玉方面からの場合、西湘バイパス 早川ICが最寄りで宿までは約25分。
一方、名古屋方面からだと東名高速の御殿場ICから約30分となっています。
周辺環境
旅館目の前に「神社下」というバス停が、また箱根登山鉄道の「宮ノ下」が徒歩10分ほどです。
旅館周辺では寿司屋、ラーメン屋、イタリアン、カフェなどが徒歩圏内にあります。
電車やバス、車で少し足を伸ばせるならそれこそ観光地「箱根」を満喫できます。
芸術や買い物を楽しんだり、普段できないことを体験したりといった面白さの詰まったエリアです。
(参考ウェブサイト:https://travel.rakuten.co.jp/mytrip/ranking/spot-hakone/)
近くにコンビニやドラッグストア、スーパーはあるの?
最寄りのコンビニは徒歩4分のところにあるセブンイレブンです。
ドラッグストアは車で11分のとこにあるココカラファイン仙石原店が最寄りとなっています。
また、スーパーも少し離れていて、個人商店が散在している感じなので必要なものは現地で揃えるのではなく買っておきましょう。
晩御飯どうする?
上にも書いたように徒歩圏内に何店舗か候補があります。
寿司みやふじ
最寄りのお寿司屋さんです。営業時間が17:30〜19:30までと夕食の時間は短いですが、googleのクチコミが4.4と非常に高いお店です。
宿に早く着いたらいってみても良いかもしれません。
天ぷらじゅらく
こちらも17:00〜19:00と閉まる時間が早いことこそ残念ですが、料理も美味しく店員さんの対応も丁寧と評判のお店のようです。
天ぷらを食べながら箱根ビールを飲めるのは嬉しいですね。
宿の徒歩圏内でアルコールが飲めるのは嬉しいです。
いろり屋
アットホームな雰囲気のカジュアルな店内で、クリームコロッケや揚げ出し茄子などの和食、ステーキ丼やあわび丼などが楽しめるお店です。
また、テレビ東京系列のドラマ「孤独のグルメ」にも登場しました。
18時〜22時くらいまでやっていますが、日によって閉める時間が違うので遅く行く場合はチェックしておくのが無難です。
底蔵の湯 つたや旅館のレビューまとめ・評価
以上、箱根にある和モダンな老舗旅館「底蔵の湯つたや旅館」、いかがだったでしょうか。
洗練された歴史ある老舗旅館ならではの部分と、リノベーションにより取り入れた新しい風がうまくマッチしたお洒落でハイクオリティな宿だったと思います。
旅館と聞くとどうしても価格帯が気になるところですが、今回宿泊したキャビンタイプならむしろ個室のビジネスホテルより安く、温泉まで楽しめてしまいます。
また居心地抜群のラウンジが完備されていて、キャビンタイプの弱点である閉塞感や作業性の悪さも打ち消されているのは評価できるところだと思いました。
ホテルに泊まりながら、おしゃれなカフェが自由に使えると思ってもらえたら、ただの観光宿としてだけではなく、ビジネスシーンでも選択肢に入ってくるかもしれません。
これから箱根にいらっしゃる方、行きたいなと思っている方は是非、底蔵の湯つたや旅館をご検討ください。
底蔵の湯つたや旅館の情報
ホテル名 | 底蔵の湯つたや旅館 |
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所在地 | 〒250-0403 神奈川県足柄下郡箱根町底蔵240-1 |
電話番号 | 0460-83-9580 |
アクセス | 【電車の場合(小田原駅下車)】 小田原駅から箱根登山・伊豆箱根バスで「神社下」バス停まで約40分 「神社下」バス停 目の前 【電車の場合(箱根湯本駅下車)】 箱根湯本駅から箱根登山・伊豆箱根バスで「神社下」バス停まで約20分 「神社下」バス停目の前 【車の場合(東京・埼玉・千葉方面より)】 西湘バイパス 早川ICから約25分 【車の場合(名古屋方面より)】 東名高速 御殿場ICから約30分 |
駐車場 | 4 台(予約制 1台500円/日) |
URL | https://hakone-tsutaya.com/ |
宿泊したプラン / 部屋
宿泊日 | 2020年2月18日(火) |
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プラン | キャビンタイプ 男女共用 二段ベッド1名分 |
料金(税込) | 3,500円 ※料金は同じプランでも曜日や空室状況によって異なります |