多くの文豪や画家たちが好んで逗留し、執筆活動に励んだ神奈川県の湯河原町。
古くは万葉集に詠まれたこの町は、今も昔も多くの人を癒す温泉街です。
今回ご紹介するご紹介する「The Ryokan Tokyo Yugawara」は温泉街として歴史あるこの町でも異彩を放っています。
それもそのはず、このホテルは2018年に現役東大生が仕掛け人となってリニューアルオープンした和モダンな造りで、随所に魅力ある工夫が施されているからです。
外国の方にストレートにも伝わるような「和」をテーマにしたインテリアはもちろん、全室及びラウンジには人をダメにする魔法のソファとして知られる「Yogibo」や、滞在時間を豊かにしてくれるライブラリーコーナーからはこの宿独自のコンセプトを感じます。
歴史情緒ある湯河原にこれから来られる方、湯河原に行きたいと思っている方、温泉地でまったりと過ごすのが好きな方必見です!
ぜひ見ていってください♪
このレビューの目次
The Ryokan Tokyo Yugawaraとは?
「The Ryokan Tokyo Yugawara」はオーナーの個人投資家 千葉功太郎氏とホテルプロデューサー 龍崎翔子氏が協業により2018年2月1日にリニューアルオープンしました。
和室11室、ドミトリー14床(定員64人)を誇り、和室1泊2食からドミトリーの素泊まりまで懐の広いホテルとなっています。
宿泊したプラン
今回はAgodaを利用し、
「ドミトリールーム 男女共用 シングルベッド一台 (朝食つき)」
を税込5,500円で予約しました。
一見ドミトリーにしてはやや高額に見えますが、朝食が2,200円だったので、素泊まりなら3,000円代前半です。
朝食が2,200円という強気な設定はあまり見ませんが、公式ウェブサイトによると「湯河原おちょこ御膳」というヘルシーなおばんざいを少しずつ楽しめる体に嬉しいメニューだそうなので期待大です。
通常時の価格と部屋のタイプは?
他の部屋タイプと通常時の税込価格はだいたい以下の通りです。
・ドミトリーシングル(素泊まり): 3,000円〜4,000円
・和室スタンダード(1泊2食付き): 9,800〜19,000円
・和室スーペリア(1泊2食付き): 12,000円〜21,000円
※agodaより、2020年3月上旬調べ。日曜日(閑散日)と土曜日(繁忙日)で比較。
宿泊プランの多様さ
公式ウェブサイトの予約ページでご確認いただけますが、この「The Ryokan Tokyo」はユニークな宿泊プランを多数用意しています。
2020.1.13 〜 3.15限定の「確定申告パック」や「積ん読解消パック 一夜通読プラン」などちょっと他の宿泊施設では見ませんよね。
ぜひ公式ウェブサイトからチェックして見てください。
(公式ウェブサイト:https://www.theryokantokyo.com/)
外観と館内設備
ホテルに着いた時に浮かんだ言葉は「Edo」でした(江戸ではありません)。
海外の方にとにかくジャパニーズカルチャーの詰め合わせを渡そうという意思を感じます。
連続した鳥居や日本庭園、そしてポジティブな意味合いの漢字が連なる提灯の数々。
コテコテです。
玄関にも大きな提灯が・・・コンセプトカラーもただの赤ではなく朱が混じった神社で見かける赤色な気がします。
レセプションは天井が高く解放的でした。
そして大きな建物の壁面を利用したウォールアートが目を引きます。
外のコテコテ感はもちろん中でも健在です。
受付の人は丁寧に対応してくれました。
共用エリアも広くルールが多いのでよく聞いて覚えるようにします。
朝食は混雑を避けるために3つの時間から好きな時間を選んで事前に申告しておく必要がありました。
また、会計時に宿泊費とは別に入湯税150円がかかります。
ちなみにチェックインが16:00〜20:00、チェックアウトが6:30〜10:00とのことでした。
なおチェックアウトは鍵を桶に入れるだけなので、朝食の時間帯とチェックアウトが被って忙しいスタッフさんがなかなか来ないことに焦ったりする必要がありません。
レセプションの横では館内着を貸し出しています。
浴衣や帯のカラーが選べたり、サイズが揃っていたりするので選ぶ楽しみがあります。
もちろん館内着でなくとも館内を移動できるのでどちらにするかはお好みです。
ドミトリーのフロアは1階です。
この建物は入口とレセプション、ラウンジや食事スペースのあるフロアが4階、宿泊スペースは3階から下となっています。
階段も解放的で複数フロアを見通せます。
ドミトリーエリアの客室
今回泊まるドミトリールームのエリアに着きました。
個室を借りた場合はドアに鍵がかかっていますが、ドミトリールームのエリアはドアが開けっ放しになっています。
ドミトリールームはカーテンを開けるとこんな感じです。
ベッド脇に2つの大きな窪みがあり、荷物が置けるようになっています。
枕元に読書灯とコンセントが1つ、足元にもコンセントが2つあるので電化製品の使用には困りません。
しかし読書灯がドミトリールーム唯一の光源で、且つ座って作業するとなると目と光源が同じ高さになるので作業には向いていません。
ここでは電化製品の充電のみに使用した方がベターです。
ちなみにWi-Fiのパスワードも読書灯のところにあります。
枕もマットレスも硬さは普通で、エアコンもカーテンで仕切られるので寝苦しいと言ったこともありません。
アメニティとしてはシングルタオル、バスタオルが1本ずつ置いてあります。
同じ部屋の中に貴重品を入れるロッカーがあります。
30Lのリュックサックがほぼパンパンに詰まっていても入る容量なのはありがたいですね。
ジャケットをかけるハンガーも中に入っています。
共用品として電子レンジや冷蔵庫なども備えられています。
ただし、キッチンがないので生鮮食品等は買ってこないようにしましょう。
トイレとシャワールーム
トイレとシャワールームは共用です。
トイレは3階に、シャワーは2階にあります。
トイレにはアメニティグッズがありませんが、シャワールームにはシャンプー・リンス・ボディソープが備え付けられています。
この旅館には源泉掛け流しの温泉がありますが、シャワーで済ませたいというニーズにも柔軟に対応してくれます。
お待ちかね「源泉掛け流し温泉」
この旅館のウリの1つである源泉掛け流し温泉へ行って見ましょう。
場所は2階でシャワーブースのすぐ近くです。
暖簾をくぐると脱衣場。洗面台に備え付けられているアメニティはシェービングローションやくし、髭剃りや綿棒でした。
ドライヤーも2台あり、共用トイレで身支度できない部分はこちらでカバーされています。
ランドリーも脱衣場にあります。
洗濯機が200円/1回、乾燥機は100円/30分です。
貴重品を入れるロッカーも用意されています。
なお、館内着を戻す場所はこの脱衣場に設けられている返却ボックスだけなので注意してください。
ガラス戸を引いていざ温泉へ。
中へ入ると思わず「おぉ」と言ってしまう内観でした。
身体を洗って温泉に浸かると疲れが抜けていくようです。
温泉自体は暑くないので長時間ゆったりと楽しめるでしょう。
洗い場も数が多くていいですね。
シャンプー・リンス・ボディーソープ・シェービングローションがおいてあります。
温泉に入れるのは6:30〜9:30、16:00〜23:00までとなっています。
充実のラウンジとライブラリー
汗を流してさっぱりした後、せっかくなのでラウンジに行って見たいと思います。
実はレセプションで受付をしていたときから気になってました。
作業アイテムを持って4階に上がります。
みなさん、お気づきになられましたでしょうか?
異様に長いカラフルなクッションの多さに。
これは「Yogibo」というビーズクッションで、某番組では「人をダメにする魔法のソファ」として紹介されました。
公式サイトの「座った瞬間オーダーメイド」の売り文句に恥じない座り心地とフィット感で、その場から動きたくなるどころか、最悪意識を持って行かれてしまいそうです。
特に長細いクッションが便利で、Uの字に曲げることで背もたれ&肘置きにもなってくれるというスグレものです。
同じフロアには様々な本が置かれたブックライブラリーが置かれています。
多くのゲストハウスでは宿泊者同士が旅を共にした本を交換するブックチェンジのコーナーがあったりするんですが、ここはそうではなく新刊や用途が明確な本が数多く揃っています。
著者が訪れた時期はちょうど確定申告の頃合いで、ブックライブラリーにはもちろん、宿泊プランにまで「確定申告」の文字がありました。
ここまで施設を見てきて、ようやくこの施設が温泉宿やゲストハウスを超えた、合宿所のようなコンセプトも持っているということが理解できました。
まるで昔の文豪や画家がこの地で筆を執ったように、現代の学生・社会人が仕事をする場としても活躍を目指しているのでしょう。
ちなみに写真はありませんが、テーブルでの作業はしやすいです。
コンセントの確保はもちろん、お腹が減ったらその場で食事が可能です。
ただ人をダメにするクッションがあるので作業性が高いかどうかは、あなたが誘惑に強いかどうかで決まるでしょう。
ちなみに著者はダメでした。
気になる朝食は?
お待ちかねの朝食です。
なんといっても2,200円ですからね。
宿泊費を考えれば、かなり強気な感じもします。
スタッフの方が笑顔で持ってきてくれました。
これは確かに美味しそうですね。
まるで料亭です。
丸くふっくらと炊き上がった白米と地元真鶴町で上がった魚の開き、湯気の沸き立つ汁物、そこに上品な小鉢が色を添えます。
量も少なくありませんが、種類の多さでいろいろな味わいを楽しみながら箸が進みます。
どれもヘルシーなので女性の方にも嬉しい朝食ですね。
もちろんどれも美味しいですが、個人的には小鉢の料理が最高でした。
どの小鉢もそれぞれの美味しさがあり、次にどれを食べようか選ぶ楽しさもあります。
2,000円と最初に見たときは強気な価格設定だと思いましたが、これなら納得だと思います。
贅沢な朝食でした、ご馳走様です。
The Ryokan Tokyo Yugawaraへのアクセス
電車の場合
JR湯河原駅下車後、箱根登山バスで10分「藤木橋」バス停から徒歩10分
※バス停を降りてから急な坂を登る必要があります(10分間ずっと登りです)。お身体が悪い方や足腰に不安のある方は駅からタクシーを使うようにしたほうが無難です。
車の場合
JR湯河原駅から約10分
周辺環境
湯河原町の観光協会が強く推しているのがハイキングと温泉巡りです。
このエリアでは一風変わった観光施設ではなく、ゆったりとした時間の流れを楽しむ場所だといえます。
四季それぞれの自然が楽しめるハイキングコースがあるようです。
(公式ウェブサイト:https://www.yugawara.or.jp/)
コンビニやドラッグストア、スーパーはあるの?
最寄りのコンビニで24時間営業しているのは徒歩14分のところにあるローソン湯河原宮上店です。
スーパーは「スーパーうちだ」がローソン近傍にありますが、ドラッグストアはJR湯河原駅の方まで行く必要があります。
いずれも宿の前の急坂は避けられないので、欲しいものがあれば事前に買っておきましょう。
晩御飯どうする?
旅館の4階では夕食を食べることができます。
夕食のコースを予約していなくとも、アラカルトを注文することは可能みたいです。
小田原港から仕入れた新鮮な魚介類も振る舞われるのでオススメです。
車で来館しておらず、特にこだわりがないなら館内で食べましょう。
車がある場合は、湯河原駅方面まで出れば様々な選択肢があります。
The Ryokan Tokyo Yugawaraのレビューまとめ・評価
以上、湯河原町にある「The Ryokan Tokyo Yugawara」でした。
宿に到着した時はコテコテのインバウンド向け宿泊施設かと思いましたが、その内実、様々な宿泊スタイルを提供する新進気鋭の温泉宿でした。
厳選の掛け流し温泉や最寄り港から取り寄せた新鮮な魚介で作った美味しい料理など、ハイクオリティな宿泊サービスの核心は外さず、新しい要素も恐れずに取り込んだこの施設は宿泊の一考に値する旅館だと思います。
特に「温泉宿に仕事をしに来る」というスタイルの提案は、従来とは異なる新たな客層を呼び込みそうな予感がしました。
これから湯河原にいらっしゃる方、行きたいなと思っている方は是非「The Ryokan Tokyo Yugawara」をご検討ください♪
The Ryokan Tokyo Yugawaraの情報
ホテル名 | The Ryokan Tokyo Yugawara |
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所在地 | 〒259-0314 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上742 |
電話番号 | 0465-63-3498 |
アクセス | 【電車の場合】 JR湯河原駅下車後、箱根登山バスで10分「藤木橋」バス停から徒歩10分 【車の場合】 JR湯河原駅から約10分 |
駐車場 | 6台(予約推奨, 使用料無料) |
URL | https://www.theryokantokyo.com/ |
インターネット | Wi-Fi無料 |
宿泊したプラン / 部屋
宿泊日 | 2020年2月19日(水) |
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プラン | ドミトリールーム 男女共用 シングルベッド一台 (朝食つき) |
料金(税込) | 5,500円 ※料金は同じプランでも曜日や空室状況によって異なります |