2020年を前に、外国人観光客をめぐるホテル間の競争はいよいよ激化に向かいます。
我々日本人にとっては訪日客を歓迎する反面、人気ホテルが予約困難になってきているので、色々視点を広げてホテルを探さなければならなくなってきています。
こうした中で今回紹介する「東京プラザホテル」は、韓流の街・新大久保にあって利便性とネット環境、そして多くの異色さを併せ持つ「通」好みのホテルです。
ホテルガイドのサイトでもちょっとわかりにくい紹介が多かったので、あえて体当たりの取材を敢行しました。
皆様のご参考になれば幸いです。
このレビューの目次
「東京プラザホテル」とは
2011年に改装新規オープンした、その名の通り「東京」観光に来日した外国人観光客向けのホテルです。
しかしながら新大久保、大久保からすぐ目の前の好立地ということで、国内旅行サイトからの予約も結構人気があります。
長年利用しているファンの外国人もいるらしく、独自で会員サービスも行っているようでもありますが、今回、運営の実体までは確認できませんでした。
宿泊したプラン
さて、今回このホテルに興味を持ったのは、旅行サイトで見つけたこのプランがあったからです。
【50歳以上限定】☆50歳から☆ 朝食が無料! 全室WiFi無料
50歳というとシルバーというには若干早いし、ちょっと中途半端な年代です。
何故50歳? 50歳だと何か良いことがあるのでしょうか?
様々な疑問が生まれましたが、価格も7,500円(税込)とあり、まずまずです。
今回お正月を過ぎた辺りの閑散期を狙ったのでこのプランが取れましたが、連休や週末だと来月まで予約が埋まっていました。
こりゃ何か良いことがあるのでは?
と思いこのプランにしてみましたが、はたして……。
ホテルの外観
新宿駅の隣、JR新大久保駅をでて、すぐの場所にホテルがありました。
外観は本当に普通のビル。
大久保通りに面しており、商店街の中にあっても、すぐに確認はできました。
東京プラザホテルの館内設備
少し道路から入り込んだエントランスから自動ドアを開けると正面にいきなり階段があります。
ロビー&フロントは2階にあるようです。
……これ、記者は軽装で訪問したから問題ないですが、国内遠方や海外から、大きな荷物(キャリーケース)を持って来られたお客さんは、この階段を登らなければならないようです。
正直これはきつい。このホテルオープン当時の設計思想に、大きなキャリーケースを運ぶという点は考慮されていなかったようです。
年配の旅行客の方は先に2階フロントにあがって協力を要請したほうが良さそうですね。
フロント
さて、いきなりの豪華シャンデリアの階段を登り、2階のフロントに向かいます。
入り口の観光案内に「トトロ」がやたらといました、まぁ気にはなりますがとりあえずおいといて、フロントに話しかけます。
対応は韓国人の男性でした。諸々予約情報を確認しながら、いつものようにチェックインを行います。
ところで、コースについて話をしましたが、年齢を確認することもなければ特にプランについての説明もありませんでした。
「50歳関係ないやん……!」と心のなかで突っ込みましたが、
まぁ、ポジティブに考えれば、中年風に見えさえすれば、ここはフロントがすばやく裁量で手続きを進めてくれた、という事なのでしょう。
さて、ロビーは狭いのですが、すぐ正面にエレベーター。それと各国語の東京案内のパンフレットがあります。喫茶店も併設していて、訪問客のラウンジ代わりになるようですが、19時を過ぎてチェックインしたため、休みになっていました。
朝食会場となっているので、後ほど訪問します。
エレベーター
最近はカードをかざさないと動かないなどのセキュリティの厳しいホテルも多いですが、こちらのエレベーターは特に誰でも問題なく使えます。
もっとも、フロントのすぐ前がエレベーターなので、防犯という観点では心配はないでしょう。
さて、エレベータの中には面白いものがありました。
「YOKOSO!(ようこそ)」という文字の下に、堂々と「ドンペン」くんがおらっしゃいます。
コンビニに次いで、ビジホ・ツーリストの味方といえる「ドン・キホーテ」の人気キャラクターです。
どうやらこのホテルはドン・キホーテとコラボをしているらしく、ここでQRクーポンを入手できます。
こんな小さなホテルとも連携をする「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」さすがです。
あと、エレベーターの中には6階のゲストラウンジの案内がありました。
どうやらこのホテルの館内施設はフロントの2階喫茶店とこの6階のゲストラウンジくらいのようです。
エレベータを降りるとすぐに部屋の前に、廊下はかなり狭めでしたので、そのままさっそく部屋に入ってみます。
東京プラザホテルの客室は?
部屋は思いの外広めでした。
ベッドもかなりゆったりめにできています。
カーテンで仕切られたクローゼット、その奥にユニットバスがありました。
部屋のキーを差し込むことで部屋の電源を供給されるシステムです。
したがって、部屋を出ると室内の電源が落ちてしまいます。
部屋を出て、その間に充電などをしたい時には注意が必要ですね。
クローゼット
オープンレールカーテンで仕切られたクローゼット。
ハンガーは4つ。
おふたりになっても安心です。
中には枕のストックとバスタオル、ハンディタオル、ユニットバス用のタオル・マット、それに室内ガウンが入っていました。
タオルやガウンについての肌触りや品質はまあ、普通でした。
ユニットバス
特に何の特徴もない、まごうことなきユニットバスです。
お湯と水を割合で調整するタイプなので、パイプの加熱には注意が必要です。
お風呂場にはリンスインシャンプーとボディーソープ、ハンドソープがありました。
また、ひげ剃り、歯ブラシもここにありました。
注意点としては、排水管が詰まりやすいのか、ユニットバスの排水溝にゴミが流れないようにフィルタが取り付けられていました。
まぁそれはいいんですが、おかげでお湯を溜められませんでした。
シャワーしか使わない人はこれでいいと思いますが、ユニットバスでもお湯を溜めたい派の人は残念な感じです。
ベッド&Wi-Fi
どう見てもダブルサイズのゆったりベッドです。寝心地もGOOD!
枕元に電源タップがあり、寝ながら快適にケータイやスマホ充電可能です。
さらに枕元のライト調光&アラームにはWi-FiのSSIDならびにパスワードが記載されていました。
アクセス可能なWi-Fiを検出すると、部屋ごとにWi-Fiが設定されているのがわかりました。
これはネットが快適!
寝ながらスマホが捗るというものです。
その他室内設備
部屋にはテーブルとチェアが2つ。
テーブルの上には電気ケトルとマグカップがありました。
よくよく見るとマグカップはIKEA製。
面白いところこだわっています。あと、ドライヤーが下においてありました。
ちょっとわかりにくいですね。
TVとリモコン
32インチTVは東芝製。
ただ、これで見れるのは地上波デジタルとBBCワールドニュース専用チャンネルのみのようです。
多機能な東芝レグザに対して、これしか使わないので、外国人観光客が操作を間違えないように、かなりわかりやすくガイドが書かれています。
また、室内エアコンも国産(DAIKIN)のものを使っているため、エアコンのリモコンも丁寧に解説がしてありました。
それにしても、ここでも「トトロ」が使われています。外国人客にウケるんですかね、トトロ…。
窓からの風景は?
大久保通りのビルの合間にあるこのホテルからは、残念ながら窓からは向かいのビルしか見えませんでした。
よく向こう側が見えるので、逆にこちらは普段カーテンを閉めていたほうが良さそうです。
またこのホテルならではで、面白いな〜と思ったのは、窓が開けられない代わりに、窓の下に通気口がありそれを開けると外気が取り込めるようになっていること。
窓の下っていうのも、これまでなかなかお目にかかりませんでした。
色々渋すぎる館内を散策
さて、館内を少し散策。2階フロントは喫茶店が開いてなければ、特に見るものがない、と思いきや、入り口の階段のシャンデリアの奥に謎の絵画。
中東を思わせる独特のアートです。
さらに階段横には謎のオブジェがいい味出しています。
さて、今度は6階のゲストラウンジです。
ここには自動販売機と給湯器兼ウォーターサーバ、それに電子レンジが置いてありました。
タバコもココで吸えるせいか、嫌煙家はちょっと居心地悪い感じです。
ここの窓からは大久保、百人町の風景が見れました。
東京プラザホテルの朝食は?
朝食は2階のカフェラウンジ兼喫茶店の「Cafe Mone」で7:30から10:00までの間で食べられます。
この時間でようやくカフェラウンジに入れました。
内容はいわゆるアメリカンBreakFast。
トースト、ベーコンに目玉焼き、サラダ、という内容です。ドリンクを選べるんですが、ここの案内でも「トトロ」登場(笑)。
カフェラウンジは大久保通りに面していて光をふんだんに取り込んだ明るい雰囲気。
これまでに来た外国人客のスナップらしきものも飾っていました。
また、記者が食事した時間帯には白人系家族が2世帯ほど楽しそうにくつろいでいました。
その脇のカウンターで朝食をいただきました。
味はまあまあです。
お代は500円。
大久保は近くに朝マックもありますが、まぁこちらは手作りですから。
席の近くにPCがありました。
「使えますか?」と、店員に聞いた所、OKという事だったのでPCを起動してみると、起動時にハングル文字。
やはりこのホテル韓国人系なのでしょうね。
もっともPC自体は普通に使えます。
ただ不特定多数の人が使うものなので、ご利用の際にはブラウザをシークレットモードで使用したり、DLなどで入手したデータの消去などは忘れずに行うことをおすすめします。
経路案内するまでもない?東京プラザホテルへの行き方
JR新大久保駅は今、改装工事が急ピッチで進められています。
この駅の改札を背にして左手、大久保駅方面を向き、ちょっと歩いただけですぐにこのホテルが見えてきます。
まわりの施設がインパクトが強いので、看板を見逃さないように注意が必要なくらいですね。
晩メシも韓流? 大久保ガイド
さて、このホテル、周辺に24時間いつでも空いてるメシ屋が立ち並んでいますので、はっきり言って晩メシに困りません。
周辺環境の賑わいと、コスト面からの入りやすさという意味ではこれまで紹介されているビジホの中でも最強レベルだと思います。
目の前にガストやすき家、マクドナルドもロッテリアも各種ファミレスもあります。
王将や人気ラーメン店も数多く、すべて2〜3分で行けます、とにかく普通に食事をするには困りません。
しかし、やはり新大久保に来たからには、韓流店!
このチョットきな臭い日韓情勢において、韓流の街はどうなっているのかをこの目で直接見るためにも取材をせざるを得ないでしょう!
という訳で、今度は新大久保駅改札を背に右側、ガード下をくぐって韓流タウンに行ってみました。
平日夜ということでしたが、通りは相変わらず韓流好き女子が溢れていました。やはり女性だらけで、おっさんは浮きますね(泣)。
あと、通りを見ていると「ハットク(韓国流ホットドック)」のお店がやたら目立ちます。
このハットクを女の子が路上で食べている光景が目につきます。
うら若き乙女がチーズの白い糸を口からびろーんとのばしたり……「はしたないのはイケマセン!」とついお母さん目線で、叱咤してしまいそう。そう言えばいっとき、このハットクのゴミもテレビで問題になってたし。
……と、いやいや、パット見でものを語るのはオヤジの悪い癖だ。
まず、この文化を自ら体感し、理解することから始めよう!
と、なぜかケバブ店とハットク店を魔獣合成させたような謎店舗にいる、トルコ人韓流イケメン風メイクの店員からチーズ&ポテトのハットクを購入。
若い娘の中に混じって食べてみました。
……うーん、正直、ホットドッグというより、モッツアレラチーズ喰っている感じでした。
おそらく、この時のワタシは、ほんの数分前、心の中でハシタナイと見えていた韓流女子同様、見事にクチから白い糸を引かせながら、不器用にチーズを頬張っていたのでしょう(恥)。
最寄りのコンビニ……心配するまでもなし
まったくもって心配無用、というより「かつて無いほどの最強のロケーション」という意味はこの写真の一枚からもわかります。
はい、ホテルのビルの1階は24時間営業している業務用スーパーです。
そして、ビルの隣はエレベーターのところで説明したこちら。
今まで色々なホテルを紹介してきましたが、歩いて20秒以内に「24時間格安スーパー」と「激安の殿堂ドン・キホーテ」に入れるシチュエーションは流石にありませんでした。
しかも激安クーポンのおまけ付き♪
蛇足コラム…本当にビジホが日本のインバウンドをダメにするの??
正直「ビジホモード」で紹介している、素敵すぎるビジホの数々からすれば、今回の「東京プラザホテル」はお世辞にもリッチでゴージャスとは言えません。
しかし、このホテルに泊まっている外国人観光客からは笑顔がたくさんこぼれていて、あぁ日本を楽しんでくれているんだなあ、と他人事ながら嬉しくなっていました。
そんな光景を見た横でスマホを覗いていたら、インターネットの記事で、「日本のビジネスホテルが外国人客をがっかりさせている」というのを目にしました。
観光庁の平成31年のデータによれば東京都市圏訪日客の46.1%がビジネスホテルを利用しているそうです、半数近くですね。
これは爆発的にビジホが増えているせいで、リゾートホテルや旅館が圧迫されている。
結果、日本の宿泊施設の多様性が損なわれインバウンドにブレーキをかけている、というのだそうです。
加えてゾーニングが出来ず、日本人の生活エリアにあるビジホによって、混雑と文化の衝突が起きている、と記事コラムの著者は主張していました。
「やっすいホテルや汚い街にせっかくの観光客を入れるべきではない」というのでしょう。
はたして、本当にそうでしょうか?
サービス競争にしのぎを削っているビジホは、観光特需に胡座をかいているわけではなく、経営的にもギリギリの運営の中で、日々サービス向上に努めているのを我々は知っています。
外国人観光客もバカではありません。
コストをかけるべきところでは、きちんとリゾートホテルを楽しみ、東京という都市生活を楽しみたい人は、それこそ「満員電車」に興奮しながら、ダウンタウン大久保を楽しんでいます。
「金を落とさせる事が目的だから、安いビジホは害悪」なんて主張は視野狭窄もいいところ。
外国人だってリッチな人もいれば、まだ今はお金がないけど、色々な世界を体験したい、という未来ある若者だっているはずです。
安い宿とひとくくりにするが、外国人客が日本の文化や機器や、システムが色々わからない中で、自分らなりに(例えばトトロとか使って)懸命に日本の面白さを伝え、サービスをしている……こういったことが、これからの観光立国・日本にとって害悪の存在でしか無い、とは、私は思いません。
日本の汚い面を隠すのではない、立ち食いのコリアタウンも業務用スーパーもドンキもいいじゃないか、これが日本なんだ。
京都や六本木だけではない、こうしたありのままの日本を見て、日本の面白さを体感して欲しい、と思うのです。
東京プラザホテルのレビューまとめ・評価
東京プラザホテルは、人によっては100%快適な宿とは言い難い部分もありますが、24時間何でも揃う圧倒的な利便性と、快適に眠れるベッドを求める方にとっては、悪いホテルでは決してありません。
なにせ、大久保という街をとことん楽しむことができる個性的なホテルと言えます。
コスメをプレゼントするプランも用意されていて、地方から遠征してくる韓流大好き女性にとっては、新大久保探索の基地として最適です。
東京プラザホテルの情報
ホテル名 | 東京プラザホテル |
---|---|
所在地 | 〒169-0073 東京都新宿区百人町2-15-1 |
電話番号 | 03-3366-0707 |
アクセス | JR山手線新大久保駅より徒歩1分以内 JR中央総武線大久保駅より徒歩2分 |
駐車場 | 無し |
URL | http://tokyoplazahotel.co.jp/ |
インターネット | Wi-Fi無料 |
宿泊したプラン / 部屋
宿泊日 | 2020年1月8日(水) |
---|---|
プラン | 「【50歳以上限定】☆50歳から☆ 朝食が無料! 全室WiFi無料」 |
料金(税込) | 7,500円 ※料金は同じプランでも曜日や空室状況によって異なります |